キャンプで使うシュラフ - 寝袋の形状や素材の違いについて

キャンプで使う寝袋(シュラフ・スリーピングバッグ)の種類についてですが、形状の種類と中綿の種類に分けて説明したいと思います。

まずは形状の種類についてですが、大きく分けてマミータイプと封筒タイプの2タイプがあります。

そして、中綿の種類については、羽毛を使ったダウンシュラフと化学繊維を用いた化繊シュラフに大別されます。

化繊シュラフでも表面生地に綿素材やフランネルを使って肌触りを向上したものもあります。

他にもツナギをシュラフにしたような歩ける人型シュラフなど変わった形状をしたシュラフも存在しますが、ソロキャンプではあまり実用的ではないですね。

夏の平地キャンプでは熱帯夜になることもあり、はっきり言ってシュラフは必要ないと思います。

夜でも汗をかくので、吸水性の高いタオルケットや「シュラフシーツ」の方が良いでしょう。

このページでは各種類について更に詳しく説明したいと思います。

マミー型

マミータイプのシュラフはミイラの棺桶のような人形型になっているので、寝袋の中に入ると体にフィットするような印象です。

体とシュラフの間に空気層が少ないので封筒型と比べると寝袋の中が早く暖まります。

無駄の無い形状なので、収納時も軽量でコンパクトになるのも特徴です。

マミー型シュラフはコンパクトになる

ただ、マミー型は体と密着している分、寝返りと打つと首元から冷たい空気が侵入してくることがあります。

もし、シュラフの首元に冷気侵入防止のドラフトチューブがあればコードを締めて対策ができますので、シュラフ選びのポイントにもなります。 フードを締めるコードロックだけだと、少々息苦しい。

あと個人的な意見かも知れませんが、シュラフ足元部分の中綿のボリュームが少ないと仰向けで寝た時に足のかかと部分とマットとの接地面が薄くなり冷えてくることがあります。

その場合はダウンジャケットや着替えなどをシュラフ内の足元に敷いて対策すると良いでしょう。

マミータイプにはサイズバリエーションがあり、ショートサイズ・レギュラーサイズ・ロングサイズに分けられています。

もし、マミータイプは狭くて寝苦しいと感じる方は一回り大きなサイズを選ぶと快適さがアップすると思います。

それでも、狭くて無理という方は封筒型を選択する方が無難かも知れません。

キャンプで使うマミー型シュラフ

封筒型

封筒型のシュラフはレクタングル型とかレクタングラー型とも呼ばれている四角形の寝袋です。

普段の生活で使っている敷布団と掛布団を合体したような形状なので違和感が無く、マミータイプと違って手足が自由に動かせます。

寝袋の片側と足元のラインが一つのジッパーでL字に繋がっているので、ジッパーを開けて寝袋を開くと一枚の大きな布団になるのが特徴です。

暖かい季節なら掛布団として使っても過ごせます。

更に同じメーカー同士ならファスナーが共通なので、連結してダブルサイズの大きな寝袋として使う事も可能です。

難点としては、体とシュラフの間に空気層が多いのでマミー型に比べて保温性が劣る事。

そして、保温性能が高い封筒型シュラフは中綿量が多いので収納してもサイズが大きくてかさばります。

なので、封筒型シュラフを使う場合は薄いシュラフを夏限定で使う方が携帯性が良く、涼しく過ごすことができると思います。

キャンプで使う封筒型シュラフ

ダウンシュラフ

ダウンシュラフは寝袋の中綿に羽毛が使われています。

羽毛には二種類があり、羽根の形をしたフェザー部位とダウンボールと呼ばれるフワフワの綿毛部位があります。

このフェザーとダウンボールの割合によって性能も変わります。

高性能のダウン製品はダウンボールの割合が90パーセント以上使われているものが多い。

このダウンボールの量によって保温能力が左右されます。

そして、フェザー部位の中でも小さなスモールフェザーがダウンのロフトを維持する目的で使われています。 ダウンジャケットを着ていると、たまに生地から飛び出してくる小さな羽根がスモールフェザーです。

そして、一言に羽毛と言っても鳥の種類は数多く存在しています。

アウトドアメーカーでダウンジャケットやダウンシュラフに使用されている羽毛はダックダウンとグースダウンです。

ダックダウンはアヒルの羽毛で、グースダウンはガチョウの羽毛。

同じ寒さに強い水鳥ですが体の大きさが違うので、ダウンボールの大きさでロフト感も違ってきます。

一般的にはグースダウンの方がダウンボールが大きく良質とされていますが、ダックダウンも品種によっては高性能なダウンが採取できたりするようです。

ダウンシュラフのダウンボール

シュラフメーカーでは羽毛の性能を表す数値としてフィルパワー(FP)という単位が用いられています。

これはダウン(羽毛)をシリンダーに詰めて圧縮した後に反発して復元する度合を数値化したものです。

このフィルパワーの数値が高いほど、空気を含む能力が高くて高品質のダウンという事になります。 通常は600FP以上が良品質と言われているようです。

ダウンシュラフは圧縮すると小さくなるので、化繊のシュラフとは比べものにならない程コンパクトに収納することが可能になります。

各メーカーではシュラフの生地自体も薄くして更に軽量化をしていますが、耐久性が落ちたりフェザーが飛び出しやすいなどの欠点もあります。

保温力の高いダウン製品ですが、ダウン自体は発熱素材ではないので体が冷え切った状態ではシュラフにくるまってもなかなか暖まらない。

そして、ダウンは湿度や濡れに弱いので、汗を含む綿素材の衣類を着てシュラフに入ったり、透湿性の悪いシュラフカバーを併用したりすると極端に性能が落ちることがあるので注意しなければなりません。 厳冬期はシュラフの表面で結露が発生することもあります。

最近はダウン自体に撥水加工が施されたものも登場していますが耐久性はどうなんでしょうね。

長年使用して汚れたダウンシュラフも性能が落ちるので、適度につけ置き洗いするなどの手入れも必要でしょう。

自然素材なのでカビなどが生えない環境で保管することもお忘れなく。

ダウンシュラフの取り扱いは面倒な分、最適な環境で使用すると能力をフルに発揮してくれるでしょう。

キャンプで使う冬用のダウンシュラフ

透湿防水素材のオーロラテックスが表面生地に使われている日本製の冬用ダウンシュラフ。

これがあれば、シュラフカバーが要らない。

総重量が310グラム、ジッパーレスで無駄を省いた超軽量なダウンシュラフ。

しかも800フィルパワーのホワイトグースダウンが中綿に使われています。

ダウンが4000gも封入された封筒型シュラフ。

家で使ってみたい…

化繊シュラフ

化繊のシュラフは中綿にマイクロファイバーなどの化学繊維が使われています。

中綿に使われているマイクロファイバーも各メーカーによって呼び名が違う。なんとかファイバーとかなんちゃらファイバーとか種類が非常に多い。

基本的には吸湿性が低く速乾性のあるポリエステル繊維を中空にしたり、超極細にして組み合わせ、織り方も工夫して保温力を向上しています。

ダウンシュラフと違って、少々濡れても性能が落ちることが無く、頻繁に洗濯もできます。

網目状にキルティング加工されているものは、中綿の偏りも少ない。

シュラフの内側の生地にコットンやフランネルを使って肌触りを良くしたシュラフもあります。 肌がベタつく夏のキャンプでは、とても快適に感じます。

そして、価格が安いものが多く、リーズナブルに購入ができるのでラフに扱っても気になりません。

難点としては、ダウンシュラフのように小さく圧縮が出来ないので収納サイズが大きく、かさばること。

冬用の化繊シュラフになるとテントよりも重くなったりします。

そして、長年使うと繊維が圧縮されて最初の頃のようなフカフカのロフト感が戻らないこともあります。

化繊のシュラフ

中綿にイスカ独自のマイクロライトと呼ばれる繊維が使われています。

コンパクトな軽量モデルなので、夏用シュラフとしては良さそう。

こちらはコールマンの冬用シュラフ。

シュラフシーツ

本来、シュラフシーツはシュラフのインナー用として保温や防汚の為に使用するのですが、私は夏用のシュラフとして使う事が多いです。

ファスナーが付いているモデルは封筒型のシュラフと同じ構造で、広げると一枚の大きな布になります。

でも外国製のシュラフシーツはファスナーが無く、袋状になっているものが多い。 ファスナーが無い分、軽量になっています。

夏場は暑くて寝袋になど入っていられませんが、肌触りが良く薄いシュラフシーツなら体に掛けても気になりません。

虫除けとしてシュラフシーツに潜り込んでも良いでしょう。

綿素材のシュラフシーツなら汗を吸ってくれるので暑苦しい夜でも気持ちが良い。

キャンプで使うシュラフシーツ

化繊素材のシュラフシーツなら乾燥が早いという利点があります。

少々、価格が高いがシルク素材なら保温効果も高い。メリノウールのシュラフシーツなら防臭効果もあります。

シュラフカバーと合わせて使えば意外と暖かい。 アジア圏の暖かい国へのバックパッカー旅ならこの組み合わせでも十分でした。

広げたシュラフシーツ

素材が薄いのでキャンプ場で洗って干すこともできます。

そして、何と言っても収納サイズがコンパクトになるのが魅力です。

薄いシュラフシーツ

バックパッカーにはおなじみのコクーンのコットンシーツ。

こちらは、収納サイズがコンパクトで軽く、肌触りの良い100%シルク製。

ファスナーを開くと広げることができるコットンシーツ。

価格が安いのも魅力。

格安の封筒型寝袋

封筒型シュラフの中には格安で販売されているものもあります。

夏場になるとホームセンターなどで1,000円を切るような価格で売られているシュラフです。

夏限定でキャンプをするなら、このタイプのシュラフが一番使いやすい。

というのも、夏のキャンプでは夜でも気温が高くて、寝袋は必要ありません。

しかし、標高のある場所や近くに渓流が流れているところでキャンプをする場合は、肌寒いことがあるのでシュラフは必要になります。

格安の封筒型寝袋なら敷布団に使っても良いし、ジッパーを広げて掛布団代わりに使うこともできます。 もちろん、普通にシュラフとしても使えます。

もし、シュラフが汗まみれになっても薄いので洗えば簡単に乾きます。

元々が安いので、ラフに使っても気になりません。

ただ、縫製が少々弱いので裁縫セットを持参した方が良いでしょう。

格安の夏用封筒型シュラフ

6月~9月の暑い季節は、いつもこのシュラフを使っています。

修理すれば、長く使えます。

耐寒温度について

シュラフは夏用(サマーシーズン用)・春夏秋用(スリーシーズン用)・冬用(オールシーズン用)と使用する季節によって中綿の量が変わってきます。 中綿の量が増えるほど価格も上がります。

メーカーによってはシュラフの快適使用温度・限界使用温度も表示されていますが、これはシュラフに最適な環境での測定値になります。

同じ環境でも体格や性別によって寒いと感じる方もいれば暑いと感じる方もいます。

そして、シュラフの中の湿度や就寝時の衣服によっても体感温度が変わってきます。

なので、私は表示温度にプラス5~10℃くらいを目安にすれば良いと考えています。

真夏でも標高の高い場所や湿度が高い林間キャンプサイト、渓流沿いの場所では明け方にかけて急激に冷え込むことが予想されます。

そんな時は、1,000円未満で売っているホームセンターの格安シュラフを用意しておけば十分に過ごせるでしょう。 また、足元のファスナーを開ければ温度調節や換気もできます。

また、冬のキャンプでは特にシュラフの下に敷くキャンプマットも合わせて考慮しなければならないでしょう。 マットが貧弱だと冬用の寝袋でも寒くて眠れません。

氷点下のキャンプ

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ソロキャンプでは、雪の日の寒さや夏の太陽の暑さ、強風の怖さやそよ風の快適さ、雨の音や虫や鳥の鳴き声、肌を通して自然を実感することができます。

最近ではブッシュクラフトなど、キャンプ道具を自作して楽しむ方も増えてきました。様々なキャンプシーンで使える色々な情報を個人的な観点で綴って掲載しております。

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【ソロキャンプ】

キャンプには色々な楽しみ方があると思います。

大勢の仲間で楽しむ、宴会キャンプ
一人で、山の中や無人島にこもる、自分を見つめなおすキャンプ
キャンプ場で仲間を増やす、友達探しのキャンプ
観光を目的とし、宿泊費を浮かす為だけにする、ゲリラキャンプ

その他、キャンプ(野営)の目的は人それぞれで違いますよね。

ひとり旅でのソロキャンプの利点は誰にも邪魔される事無く、その時の状況でいつでも行き先や行動を変更したりできます。

雨が降ればテントでゴロゴロ、天気が良ければ木陰で昼寝、夜になれば焚き火で乾杯。

一人旅でキャンプを楽しみたい方に参考になればと思い、このホームページを製作いたしました。

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