リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP電池)を使って本格的なポータブル電源を作ってみました。
LFP電池はリチウム電池の中では安全性が高く、同容量のカーバッテリーと比較して多くの電力を取り出せ、サイクル寿命も長いといったメリットがあります。
安全性が高いので、車中泊の密室空間で使うサブ電源としては最適なのです。
この記事では、簡単に作れる本格的なポータブル電源の作り方を紹介します。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP電池)を使って本格的なポータブル電源を作ってみました。
LFP電池はリチウム電池の中では安全性が高く、同容量のカーバッテリーと比較して多くの電力を取り出せ、サイクル寿命も長いといったメリットがあります。
安全性が高いので、車中泊の密室空間で使うサブ電源としては最適なのです。
この記事では、簡単に作れる本格的なポータブル電源の作り方を紹介します。
名前が長ったらしい、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーですがメリットは多いですね。
自作のポータブル電源は、バッテリーが綺麗に収まるケースを見つけるのがポイントです。 LiTimeのバッテリーならドカット4500 がおススメ。
今回使用したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、LI Time・リタイムというブランドのLFPバッテリーです。
12V仕様100Aの大容量ながら同サイズの鉛バッテリーと比較すると重量が3分の1程度と軽量なのが特徴です。
充放電回数約4,000回と高寿命なことも魅力のひとつです。
あと、リチウムイオンバッテリーの危険性について。
従来のリチウム電池は衝撃や発熱などで、正極材料から発生する酸素が原因で発火・爆発する危険性があります。
しかし、LFPバッテリーは正極材料の結晶分子間の結合が強い為に発火の原因である酸素が離脱(発生)しにくい特性を持っています。
安全性が高いという事でもメリットがあります。
本格的なポータブル電源を作るには以下の材料6点が必要になります。
車中泊やキャンプで使う電気製品の中で電力が多いものと言えば、調理器具や冷蔵庫ですよね。
しかし、ガスで調理をしたり、クーラーボックスで事足りるなら、1280Whの電力量はソロ旅ではスペックオーバーかも知れません。
まあ、これだけの電力量があれば災害時でも活躍するのであると心強いでしょう。
使用する材料の詳細については、次の項目でご紹介いたします。
LiTimeのLFPバッテリーについては、こちらのリンク先で詳しく紹介しています。
バッテリーから電源を取り出してシガープラグを使えるようにするには、『バッテリー直結型ソケット』を使います。
ケーブルに流せる最大電流は15Aなので、単純計算で15A×12V=180Wの電力までの電気製品が使用できます。
【BAL バッテリー直結型ソケット】
・最大電流容量:15A(最大)
・コード長:230mm(有効長)
・重量:100g
構造はシンプルです。
バッテリーのプラス端子に赤色のワニ口クリップを、マイナス端子に黒色のワニ口クリップを挟むだけです。
これで、シガープラグを利用した電気製品が使えるようになります。
また、15A以上の電流が流れる電気製品を使うならバッテリー端子に直接ボルトで固定するタイプの直結型ソケットに変更しましょう。
バッテリー端子の接触部分を確実に固定しないと発熱する可能性がありますからね。
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今回使用するバッテリー直結型ソケットにはヒューズが付いていないので、ヒューズ付きのシガーソケット分配器を取り付けます。
使用する分配器は『REMIX 4連ソケット』という商品です。
各ソケットには通電用のトグルスイッチが個別に付いているので、使用したいソケットだけを通電することが出来ます。
ちなみにヒューズはシガープラグの中に内蔵されています。
【スペック】
・電源:DC12V
・最大消費電流:10A
・シガープラグ差込口:4か所
・各ソケットにトグルスイッチ付き
市販されている分配器の中にはシガープラグを差し込むだけでパイロットランプが点灯して待機電力を使うものがあります。
しかし、このシガーソケット分配器は使用中のソケットしか点灯しないので無駄な待機電力を使いません。
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新しくUSBポート付きのモデルがリリースされていますね。
車載用インバーターは直流12Vのポータブル電源を交流100V電源に変換する装置です。
インバーターがあれば家庭用の電気製品を屋外でも使うことが出来ます。
ただ、使用する電気製品の消費電力以上のパワーが出せるインバーターを用意しなければなりません。
今回、使用しているインバーターは『セルスター ハイブリッドインバーター FTU-70B』です。
【スペック】
・入力電圧:DC12V
・出力電圧:DC12V
・出力電流:最大10A
・ヒューズ:10A(内蔵)
・本体サイズ:104(W)X65(D)X35(H)mm
・コード長70cm
・出力
《AC100V》
瞬間最大出力:140W(0.1秒以内)
最大出力:70W
定格出力:56W
出力周波数:55Hz
出力波形:矩形波
変換効率:80%以上
回路方式:P.W.M.方式
《USB端子》
出力電圧:DC5V
出力電流:1.2A(最大)
ここで、バッテリーのスペック(1280Wh)の割にはインバーターの出力が少ないと思われたのではないでしょうか?
実は、使用する電気製品を12V用で揃えていれば高出力のインバーターは必要ないのです。
私が車中泊で使用する100V電気製品の中で消費電力が大きなものと言えばパソコンくらいなので、70Wでも十分なのです。
そして、このインバーターを使う最大の理由は「冷却ファンが内蔵されていないので音がしない」という事です。
冷却ファンが常時作動するインバーターは、ウルサイですからね。
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バッテリーの使い過ぎによる劣化を防ぐ為に電圧計で監視します。
【スペック】
・動作温度:-10℃~50℃
・動作電流:最大5mA
・バッテリー容量と電圧計を表示
・バックライト付きの液晶画面
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーにはBMS(安全制御システム)が内蔵されているので過充電、過放電、過電流、過熱、短絡を防いでくれます。
しかし、モニターが無いとバッテリーがどのくらいの残量なのか分からないですからね。
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バッテリーの収納ケースとして利用したのは『ドカット D-4500』という工具箱です。
以前、カーバッテリーで製作したポータブル電源でも利用したケースです。
実は、このD-4500の目安内寸法が340mm×200mm×238mm(中皿無しの状態)だったので、LFP電池の外寸にピッタリと収まるような予感がしたのです。
【スペック】
・サイズ:465mm×280mm×280mm
・重量:2.1kg
・容量:約17L
・目安内寸法:340mm×200mm×中皿下160mm
・中皿寸法:154mm×210mm×78mm
・耐荷重:627kgf
・取手引張強度:110kgf
上蓋は左右どちらからでも開けることができるダブルオープン仕様です。
しかもフタは取り外すことも可能。
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揃った6点のアイテムを使って『 LFP電池仕様のポータブル電源 』を作ってみたいと思います。
工具箱ドカット D-4500のとLiTimeのバッテリーを並べます。
ドカット D-4500の中にバッテリーを入れてみると、予想通りにピッタリサイズでした。
黒色の収納ケースにブラックボディーのバッテリーがマッチしています。
そして、「バッテリー直結型ソケット」のワニ口クリップをバッテリー端子に接続します。
バッテリーの端子同士が接触してショートするのを防止する為にターミナルカバーを取り付けておきます。
ターミナルカバーが無ければ、自己融着テープでカバーを作っても良いでしょう。
次に「シガーソケット分配器」を取り付けます。
ドカット D-4500とバッテリーとの隙間に4連ソケットを取り付けるのです。
取り付けに使用するのは、百均の両面テープ。
「超強粘着ゲル両面テープ CROCODILE GRIP」というゲル状の粘着テープです。
貼った時の糊跡も残らず、屋外でも使えます。
厚みのある透明なアクリル両面テープです。
この両面テープを使ってスイッチボックスとソケットボックスをドカット D-4500に貼り付けました。
あとは、シガーソケット分配器をバッテリー直結型ソケットに接続するだけです。
両面テープで2方向から固定すると更に強固になります。
そして、電圧計を取り付けます。
この電圧計は小型なので、どこでも取り付ける事が可能です。
インバーターも小型なのですが、バッテリーの上に載せて使用している時はフタを閉める事が出来ません。
しかし、取り付けたシガーソケット分配器の隙間に収める事が出来るのです。
これで、用意した全てのアイテムを取り付ける事が出来ました。
ドカット D-4500のフタも閉まるので、どこでも持ち運びが出来ます。
ただ、バッテリー重量だけで11キロあるので重いです。
キャンプで使う時は駐車場からテントサイトまでが遠いと苦労しそうですね。
製作したLFPポータブル電源を車中泊で使用してみます。
内部のバッテリーは、家に設置してある太陽光発電システムを使って満充電にしています。
LFP電池は一般のカーバッテリー用充電器では充電できない場合があるので、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー専用の充電器が必要になります。
仮にカーバッテリー用の充電器で充電できたとしても、LFP電池を傷める原因になる場合があるので要注意です。
予め、バッテリーには電流や電圧、電力を計測するマルチメーターを取り付けています。
現在のバッテリー電圧は13.41Vです。
カタログの目安表では13.4Vで99%、13.5Vで100%の容量となっています。
他の電力計で計測した時は13.5Vを表示していたので、このメーターは少し低めに表示されているのかも知れません。
自作のLFPポータブル電源に車中泊で使用する電気製品を取り付けてみました。
LED照明、携帯電話の充電、ノートパソコン、デジカメの充電です。
12V電源で使用できるLED電球です。
明るさは1000ルーメン近くあり、消費電力は8.4Wです。
100Vインバーターにはノートパソコンとスマートフォンを接続しています。
ノートパソコンの消費電力は安定時で30W前後、ファン起動時や高負荷時は70W前後まで上がります。
PCは携帯電話でテザリングしながら使用します。
スマホを充電している時の消費電力は10W前後です。
スマホやデジカメの充電が終わると35Wくらいで安定しました。
使用している電力が少ないのでDC扇風機も回してみました。
DC扇風機は意外と消費電力が少なくて中風で5Wほどでした。
トータルの消費電力は40W前後になりました。
バッテリーは電圧降下で13.28Vまで下がっています。
この状態で8時間使用した結果、総使用電力は335Whでした。
え!?意外と少ない…
車中泊で電気式の調理器具や冷蔵庫を使わなければ、電気ってあまり消費しないんですね。
その後、帰宅してからも同じ条件でバッテリーを使用して残量を計測を続けます。
そして、4日目にカタログスペックの電力量 1280Wh に到達しました。
最終的にバッテリーを使っている状態では電圧降下で11.56Vまで下がっていましたが、全てのスイッチをオフにすると11.71Vまで回復しました。
バッテリーの低電圧切断電圧は10.8Vなので まだ余裕があります。
しかし、バッテリーの使い過ぎは劣化を招くので使用はストップします。
LiTimeのLFPバッテリーは4000回以上の充放電が出来るので4日に一度充電するとしたら、寿命が来るまでに何と43.8年もかかる計算になります。
しかし、これはあくまでもバッテリーの容量を100%の効率で使えたらの話です。
実際には、バッテリーの劣化度やインバーターの待機電力や変換効率、気温などの影響で電力量は落ちてしまいますからね。
使い方次第ではバッテリーの寿命が早く訪れたり、BMS(安全制御システム)が壊れたりする場合があるので、過充電と過放電には注意して使う方が良いでしょう。
あと、バッテリーの耐久性などについては、又後日追記したいと思います。
最後に、私は電気工事士の資格を持っており、家では12Vのソーラー発電システムを作ったりしているので電気の危険性については充分に理解しているつもりです。
この記事で製作しているポータブル電源は30V未満の工作物なので資格は必要なく、誰でも作る事が可能です。
しかし、取り扱うバッテリーの容量が100Ahもあるので多少なりとも危険を伴います。
あまり電気の知識に自信が無い場合は、配線経験者に手伝ってもらうか、市販のポータブル電源を買う方が安心でしょうね。
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