冬キャンプでロケットストーブを使う - 煙突の廃熱で寒さ対策

このページで使用している自作のロケットストーブは一斗缶に断熱材を詰めただけの簡易的なものではなく、煙突から排煙をする仕組みになっています。

断熱材を詰めただけの暖かくないロケストと違い、冬は暖を取ることが可能です。

冬キャンプでは薪ストーブ派が多いと思いますがロケットストーブも暖かいです。

実際に私が冬キャンプでロケットストーブを使って感じた、メリットとデメリットを紹介したいと思います。

ロケットストーブは内部構造に二重隔壁と燃焼室を持ち、一時燃焼で発生した木質ガスを更に二次燃焼させる事できます。

一斗缶を使用して自作したので、収納サイズもコンパクトです。

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ロケットストーブの利点

薪ストーブと比較してロケットストーブをキャンプで使う利点として以下の事が挙げられます。

    ロケットストーブの利点
  • 横引き煙突を低く設置できる
  • 煙突の上で鍋の保温が可能
  • 縦引きと横引きが同じでも排煙可能
  • 炎が消えても暖かい

横引き煙突を低く設置できる

ロケットストーブは内部の燃焼筒が排煙を押し出す構造になっています。

なので、横引き煙突の高さが薪が燃えている位置より低くても排煙が可能になります。

煙突の横引きを地面ギリギリの低い位置にする事ができるので幕の裾から煙突を外に出すことができます。

タープやテントに煙突ポートの穴をあける必要はありません。

煙突を幕の裾から出す

煙突の上で鍋の保温が可能

横引きの煙突にブリキの湯たんぽを立てかけたり、煙突の上にゴトクを作って鍋を置いて料理を保温することができます。

煙突の上で鍋の保温が可能

縦引きと横引きが同じでも排煙可能

薪ストーブは煙突の熱で生まれる上昇気流(ドラフト)で排煙するので、一般的には煙突の縦引きの長さが横引きの1.5~2倍以上は必要とされています。

対して、ロケットストーブは煙突と燃焼筒の両方で上昇気流が起こります。

排煙は燃焼筒で押し出され、更に煙突で引き上げられるので炎の勢いが落ちないのです。

その為、煙突の「縦引き」と「横引き」の長さが同じでも排煙が可能となります。

ただ、ロケットストーブも煙突の縦引きが長いほど空気の吸い込み力は大きくなるので、長い方が燃焼効率と排煙効率が良くなります。

煙突が短くても排煙可能

炎が消えても暖かい

このロケットストーブの燃焼筒には断熱材としてパーライトが詰められています。

パーライトが蓄熱をするので、炎が消えてもしばらくは暖かさが持続します。

ロケットストーブは炎が消えても暖かい

ロケットストーブの欠点

このロケットストーブの欠点はと言うと。

    ロケットストーブの欠点
  • 全体重量が重い
  • 消火後すぐ片付けられない
  • 横引き煙突で地面が焦げる
  • 薪を大量に投入できない

全体重量が重い

燃焼筒に断熱材が詰められているので、重量が重くなっています。

詰める断熱材の種類によっても変わりますが、軽量なパーライトを使っても同じ大きさの薪ストーブと比べるとかなり重くなります。

ロケットストーブは炎が消えても暖かい

消火後すぐ片付けられない

燃焼筒が蓄熱しているのでストーブを消火しても熱くて片付けられません。

ストーブが冷えるまでに1時間はかかるので、撤収の一時間前には消火しておかなければなりません。

ロケットストーブは炎が消えても暖かい

横引き煙突で地面が焦げる

ロケットストーブの横引き煙突が地面スレスレの位置なのでサイトが芝地だと芝に熱のダメージが伝わる可能性があります。

なので、草地もしくは裸地のテントサイトでしか利用できません。

ロケットストーブは炎が消えても暖かい

薪を大量に投入できない

焚き口が小さいので、たくさんの薪を入れる事が出来ません。

焚き口の大きさが限られているので、使用する薪の状態によっては大きな熱量が得られない場合があります。

湿った薪を入れてしまうと急に温度が下がったりします。

ロケットストーブは炎が消えても暖かい

百均の鍋敷きを台座に

ロケットストーブのデメリットを解消するために、いくつか改良してみました。

ロケットストーブの底部からは高温の熱が伝わるので、地面から少し浮かせた方が草地へのダメージを減らすことができます。

地面とロケットストーブとの間に空間ができることにより、暖房効果も高まります。

そこで、百円ショップで物色していると良いもの見つけました。

キッチンコーナーにあった鉄製の四角い鍋敷きです。

一斗缶より一回りほど小さくて最適なサイズでした。

鍋敷きをロケットストーブの足代わりにする

固い地面の場合は、四本脚を下に向けます。

固い地面の場合は、四本脚を下に

そして、地面が柔らかい土や砂で安定していない時は下の写真のように鍋敷きを裏返して使うこともできます。

柔らかい地面の場合は、四本脚を上に

鍋敷きはコンパクトなサイズなのでロケットストーブ本体の中に収納することもできます。

鍋敷きを本体の中に収納する

自作の煙突ガード

百円ショップのワイヤーネットを使って煙突ガードを製作してみました。

ロケットストーブの横引き煙突は地面スレスレの位置にあるので、タープの裾を持ち上げて煙突と生地の干渉部分の保護をします。

百円ショップのワイヤーネット

煙突ガード バージョン1

まずは煙突の直径が入るサイズにワイヤーネットの中央部分をペンチでカットします。

ワイヤーネットの中央部分をペンチでカット

ジョイント部分はワイヤーネットの中央上部だけに設置しました。(二か所)

ジョイント部分はワイヤーネットの中央上部だけ

そして、ワイヤーネットをカットした部分に煙突を通し、2枚のワイヤーネットの隙間にタープを挟みこみます。

通常、薪ストーブの横引き煙突は、このような低い位置には設置できないのでロケットストーブの利点でもあります。

2枚のワイヤーネットの隙間にタープを挟む

風でタープがずれないように洗濯バサミで固定しています。

タープを洗濯バサミで固定する

煙突とタープとの隙間から冷たい風が入ってきて寒いので、薪を積んで塞ぐと良いでしょう。

煙突とタープとの隙間を薪で塞ぐ

煙突ガード バージョン2

そして、ネットに穴を空けないバージョンも作ってみました。

ワイヤーネットの下の部分は写真のようにグラインダーでカットして地面に差し込むようにして固定します。

タープの煙突ガード2:ロケットストーブでキャンプ

これなら、強風でタープの裾がバタついても安心です。

煙突とタープの干渉部分8:ロケットストーブでキャンプ

断熱煙突で排煙の逆流防止

強風が吹いている時は煙突から排煙が逆流してくる時があります。

排煙が逆流する場合は縦引き煙突の長さを伸ばすと解消されますが、煙突パーツが増えると荷物が増えてしまいます。

そこで、煙突のドラフト効果を高めるために二重煙突を使うことにします。

しかし二重煙突は買うと高価なので、ミルク缶で自作した二重煙突を使います。

赤ちゃんのいる家庭からミルク缶をもらってくれば、とても安価に製作が可能です。

自作した二重煙突

煙突を固定する時は、3本のカラビナとロープを使って地面にペグを打ち込んで固定します。

ロープにテンションをかけて張った際に、煙突曲がりの部分が横引き煙突より水平以下にならないようにしないとスムーズな排煙ができなくなるので要注意です。

横引き煙突は、外に向かうにつれて若干の上がり気味にする方が良いでしょう。

キャンプでの煙突の固定方法

雪が降っていても煙突の温度が下がらないのでスムーズな排煙が可能になります。

雪の日でも活躍する断熱二重煙突

以下のページでは断熱二重煙突の作り方を紹介しています。

収納ボックス

ロケットストーブを収納する小型のベランダコンテナはテントの外に置いて簡易物置としても使えます。

ベランダボックスは鍵穴があるものが多いので、自動車に施錠して固定すれば盗難防止にも役立ちます。

ベランダコンテナを簡易物置として使える

収納ボックスの天板が平らになっている場合は、テーブルとしても使う事が可能です。

ベランダコンテナをテーブルとして使える

【関連記事】

キャンプで使う

実際にキャンプでロケットストーブを使ってみると利点と欠点が分かってきました。

欠点も多いですが、自作したストーブで暖かく過ごせる冬キャンプは楽しいものです。

薪を燃やしているので遠赤外線効果なのか、寒い夜でも体が暖かくなるのも嬉しいですね。

寒い夜でも暖かいロケットストーブでキャンプ

強風時や雪中キャンプでの低温時は、断熱二重煙突を利用したり煙突を長めにした方が薪を効率よく燃やすことができます。

ロケットストーブで雪中キャンプ

燃料の薪は常にロケットストーブの側に用意しておくと良いでしょう。

ロケットストーブの熱で温められた薪は良く燃えます。

温められた薪は良く燃える

ゴーゴーと音を立てて吸い込まれていく炎を見ているだけでも楽しいです。

ロケットストーブに吸い込まれる炎

燃焼筒の上にあるフタ部分を少し持ち上げてみると…

凄い勢いで炎が吹き上がります。

凄い勢いで炎が吹き上がる

フタ部分が熱で赤くなり、高温になっている様子が伺えます。

高温になっている様子が伺える

ロケットストーブの上に鍋やヤカンを置いて料理をしたり、お湯も簡単に沸かすことができるので一石二鳥です。

湯たんぽがあると、夜は暖かい。

そして、雪で濡れた手袋も乾かすことができます。

料理もできるロケットストーブ

良く乾燥した薪を使うと完全燃焼するので煙突からの煙は殆ど透明になります。

燃焼温度が高いと煙突からの煙は透明

命に係わる危険性

最後に、原則としてテントやタープ内での火気の使用は各テントメーカーでは禁止の表示がされています。

それは、ナイロン生地で密閉された空間で火を使うことにより酸欠や一酸化炭素中毒を起こす危険性があるからです。

タープ内でロケットストーブを使用する場合は自己責任の上での使用になりますが、頭上部分の換気をしっかりして一酸化炭素警報機も使用して換気に心がけます。

就寝前にはタープを開け放して換気しておくか、ロケットストーブ自体をタープの外へ出しておきましょう。

ロケットストーブのフタが熱収縮して変形し隙間が空いてしまった場合は一酸化炭素がタープ内に充満する可能性があるからです。

一酸化炭素中毒に注意する

また、突風が吹いたりして排煙が逆流することも考えられますので、タープの上部は少し隙間を空けておきます(一酸化炭素は空気より軽い為)。

そして、万が一の事を考えて一酸化炭素警報機は必ず常備することをお勧めします。

アウトドアで使用する電気製品は動作不良などを起こす可能性もあるため、メーカーの違う二つの一酸化炭素警報機を設置しておくとより安心です。

※一酸化炭素中毒は命にかかわる重大な事故や重度の脳障害を起こすことがありますので、くれぐれも就寝前は消火を確認してタープを朝まで開放しておく、またはロケットストーブをタープの外に出しておくなどして、換気には十分過ぎるほど注意を払いましょう。

キャンプでの一酸化炭素中毒防止対策

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ソロキャンプでは、雪の日の寒さや夏の太陽の暑さ、強風の怖さやそよ風の快適さ、雨の音や虫や鳥の鳴き声、肌を通して自然を実感することができます。

最近ではブッシュクラフトなど、キャンプ道具を自作して楽しむ方も増えてきました。様々なキャンプシーンで使える色々な情報を個人的な観点で綴って掲載しております。

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【ソロキャンプ】

キャンプには色々な楽しみ方があると思います。

大勢の仲間で楽しむ、宴会キャンプ
一人で、山の中や無人島にこもる、自分を見つめなおすキャンプ
キャンプ場で仲間を増やす、友達探しのキャンプ
観光を目的とし、宿泊費を浮かす為だけにする、ゲリラキャンプ

その他、キャンプ(野営)の目的は人それぞれで違いますよね。

ひとり旅でのソロキャンプの利点は誰にも邪魔される事無く、その時の状況でいつでも行き先や行動を変更したりできます。

雨が降ればテントでゴロゴロ、天気が良ければ木陰で昼寝、夜になれば焚き火で乾杯。

一人旅でキャンプを楽しみたい方に参考になればと思い、このホームページを製作いたしました。

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