以前、ブルーシートを使って製作した自作テントを紹介しましたが、今回は白色の防炎シートを使ってモノポールテントを作ってみました。
防炎シートは安価なブルーシートよりは少しだけ値段が高いですが、素材がPVCコーティングのポリエステルなので扱いやすいという利点があります。 ポリエステルは紫外線に強く、テントのフライシートにも使われていたりします。そしてPVCなのでブルーシート素材では不可能だった接着剤が使えます。
完成したテントは白色なのでテントの中が、昼でも夜でも大変明るく感じます。
以前、ブルーシートを使って製作した自作テントを紹介しましたが、今回は白色の防炎シートを使ってモノポールテントを作ってみました。
防炎シートは安価なブルーシートよりは少しだけ値段が高いですが、素材がPVCコーティングのポリエステルなので扱いやすいという利点があります。 ポリエステルは紫外線に強く、テントのフライシートにも使われていたりします。そしてPVCなのでブルーシート素材では不可能だった接着剤が使えます。
完成したテントは白色なのでテントの中が、昼でも夜でも大変明るく感じます。
そしてテントの構造はシンプルで折り紙の要領で五角錐に組み立てるだけ。
手縫いで自作するので、とても手間がかかりますが、キャンプ場では目立つこと間違いなしです。
防炎シート製モノポールテントを製作するに当たって以下のものが必要です。
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5.4m×7.2mサイズの防炎シートは3千円台から7千円台まで、販売店によってかなり価格の差がありますが、輸入物が安いようです。 購入時の価格は3,750円(税込)+送料でした。
伸縮式物干し竿はネットショップでも売っていますが、ホームセンターの方が安かったです。購入時の価格は980円。
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パイプキャップもホームセンターでサイズを確認してから買う方がベスト。
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自作するテントの形はモノポールテントなので、まずは五角錐を作らなければなりません。
その際にA4やB4の用紙で使われている白銀比(1:√2)の紙を使うと、簡単に五角錐を作ることができます。
用紙の長辺を下側にした状態で説明します。 底辺の角と対辺を合わせて、写真のように折ります。そして、対辺の右上の三角になった場所を内側に折り曲げます。
折った場所を一度展開して、反対の左側も同じように折ります。
そして、もう一度展開して底辺角の三角になった折り目下側と中央上部に×になった折り目を重ねて折ります。また開いてから同じように反対側も。
最後に展開すると、五角錐の展開図が完成します。
折り目に線を引いて分かりやすくしたのが、下の写真。
必要のない部分をハサミで切り取り、折り目に沿って紙を折り曲げると紙製モノポールテントの完成です。
ベンチレーションは、紙を切り取った際に余った部分で作りました。
購入した防炎シートの表示寸法は5.4m×7.2mとなっていますが、実際に現物を測ってみると5.35m×7.15mでした。
このシートの縦と横の比率は白銀比ではないので、長辺を基準に白銀比(1:√2)になるように短辺の長さを求めます。
その際に利用したのは、フリーソフトのJw-cadという2次元汎用のキャドソフト。
Jw-cadの使い方はインターネットで詳しく紹介されているので、使い方を覚えるのは意外と簡単です。
シートが巨大なので屋外での作業になると思います。
作業する時は風の強い日を避けたいですが、強風でシートがめくれ上がらないように四隅をロープ等で固定しておきます。
そして、製作した図面を防炎シートに書き写すのですが、その際には水糸を使うと便利。
水糸も風の影響を受けやすいですが、なるべく糸をピンと張って水糸に沿ってマジックペンで書き写します。
シートに図面を書き終えたら、念の為に間違いはないか再度寸法やのりしろ部分を確認しておきます。サイズを間違えていたら大変ですからね。
そして、ハサミを使ってカットします。
テントの上部には換気のためにベンチレーションを製作します。
穴のサイズは高さ300mmの台形。
注意点として、ベンチレーションの周囲はテンションをかけた際に強度不足になることが後になって分かったので、生地をボンドで二重に貼って補強した方が良いでしょう。
あと、ボンドを使う際に生地の塩化ビニールと繊維が剥離してしまう事があるので接着箇所を板等で挟んで加重をかけて接着します。
ベンチレーションのひさし部分は、テント本体を切り取った時に余ったシートを使って作ります。
シートの周囲部分は補強がされているので強度もあります。なので余ったシートは周囲部分を使い、ハトメの部分がベンチレーションに中央部分にくるようにカットします。 そうすると、ベンチレーションが強風でつぶれてしまった際でもハトメにロープをかけて引っ張ることができます。
サイズは底辺600mm×高さ500mmの三角形。
ひさし部分ののりしろは幅10mmにしました。
両面テープをのりしろに貼り付けて、テント本体の穴位置に合わせて接着。
その後、イージーステッチャーを使ってベンチレーションを手縫いします。
イージーステッチャーは革製品を縫うために作られた器具ですので、付属している縫い針は太い。 そのままでは、シートの穴が大きくなって強度が落ちそうなので、ミシン糸用の針(普通地用11号)に交換しました。
糸は家にあった釣り竿リールのナイロンテグスを使ったのでサイズは不明。針穴に合う太さの糸をチョイスして下さい。
イージーステッチャーは慣れるまで、非常に使いづらいですが根気が必要。
PE製ブルーシートの場合は、このままベンチレーションを縫い付けた状態でも強度を保てましたが、このPVC製防炎シートの場合は強度が若干劣ります。
テントを張った時に生地が伸縮し、開口部分の角が少し裂けてしまいました。ちなみにPEは、ほとんど伸縮しません。
なので、余ったシートの周囲部分(ヒモ入)を使って開口部のまわりを縫い付けて補強しました。
この時点で自作テントの重量は7.7kg。かなり軽くなりました。
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このテントはモノポールテントなので、頂上部分は一番強度が必要とする場所になります。
テントの裏側を頂上部から手縫いでしっかりと縫い付けてゆきます。テント本体の、のりしろ部分は10mm余分に余らせてカットしています。 そして頂上部分は補強の為、生地を二重にします。
円形に切り抜いたシートに両面テープを貼り付けて切り込みを入れ、円錐になるようにします。
そして、軟質塩化ビニル用接着剤を薄く塗って頂上部分に接着します。
その際に塗布する接着剤が多すぎるとシートが溶け過ぎてしまい、ブヨブヨに伸びてしまうので要注意。 ここも生地がボンドによって剥離するのを防止の為に接着時は加重をかける。
その後は24時間以上放置してしっかりと乾燥。
最後に円形に切り抜いたゴムシートを使って更に補強します。
今回は以前に作ったモノポールテントのものを流用して使いました。 作り方はそちらのページを参考にして下さい。
シリコンコーキング材をしっかりと塗りつけます。
そして頂上部分に接着して乾燥を待ちます。コーキング材を大量に使った場合は2~3日ほど放置した方が良い。
今回はゴムシートを縫い付けなくても強度は保たれると思い、接着のみにしました。
他の方法として、モノポールテントの頂上部分は2Lのペットボトルを流用しても製作ができます。お茶のボトルが良い。
ペットボトルの飲み口部分をカットすると写真のような円錐形の形になります。
その部分を利用すれば強度も高く作れます。
切り取ったペットボトルにコーキング材を詰めて固めるとこのような形になる。
このテントを製作した一年後に、テントが強風にあおられてゴムが破れてしまい、この方法で作り直しました。
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ガイラインループは余った生地と25mmのベルトを使って作ります。使わなくなったデイパックなどのPPベルトを流用してもいいですね。 百均でも裁縫コーナーにベルトは売っています。
まずは生地を円形に切り抜きます。赤ちゃん用のミルク缶のフタで型取りをしました。このサイズが丁度良い。
円を半分に折り曲げて両面テープで接着。
そして、ベルトをループ状にして半円状のパーツ中央部分にイージーステッチャーを使って縫い付けます。
同じものを14個と出入口用のものを2個、製作します。 下の写真に写っている一番下の2個が出入口用でベルトの位置が左右にずれていることが分かると思います。
この間にイージーステッチャーの取り扱いに慣れておくと後が楽になります。
まずは出入口にガイラインループを取り付けます。
テント本体に半円パーツを合わせた時に折り曲げて裏側と表側が同じ位置になるように両面テープで接着。 そして、縫い付けます。
出入口以外の場所は下の写真のように取り付けます。
簡単そうに見えますが、この単純作業が一番の重労働です。根気と体力勝負で16か所のガイラインループを取り付けます。
テントの出入口には工事現場のシート用ファスナー「ミルックス マジックドア」を使いました。
このファスナーの裏側には両面テープが付いており、シートの自由な位置に貼り付けてジッパーを開き、カッターで切ると即席の出入口が出来るという商品です。
長さは2メートルあるので、テントの出入口に利用するには丁度良いサイズです。2個セットなので、もう一つはファスナーが壊れた時の予備パーツとして保管しておきます。
ファスナーを貼る際はテントの頂上部からの方が良い。
下側から貼り付けると左右のサイズが最後に合わなくなる場合があるので要注意です。
このファスナーの両面テープは、とても強力なのですが雨の日や太陽の日差しで粘着力が弱くなり、テンションがかかると剥がれてしまう事が予想されます。
なので、ここもイージーステッチャーを使って手縫いします。
その際、ファスナーの両面テープが強力過ぎるので縫い針にテープの粘着物が絡まります。でも、ここも根気で乗り切ります。
取り付けが完了したら、シリコン潤滑スプレーを塗布して滑りを良くしておきます。苦労して取り付けたジッパーがすぐに壊れてしまうと凹みますからね。
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テントが完成したので、実際に立ててみたいと思います。
自宅の駐車場で立てるので、今回もブロックを使ってガイラインループを固定します。
まずは正五角形になるように角を固定します。
このテントの場合は辺の長さが2713mmの五角形。
なので底辺が2713mmと他の辺が4390mmの三角形になるように配置します。 あらかじめ4390mmの長さの伸び縮みしないロープ等を用意しておけば設営が楽ですね。
ポールには伸縮式の物干し竿を使っています。二分割できるものがコンパクトで便利です。ホームセンターで980円で購入。
伸縮するので、微妙な高さ調整も可能です。テントの頂上部とポール先端の接点には物干し竿の直径にあうパイプキャップを使用して圧力を分散させています。
テントの内部は、かなり広いです。
テントのスカート部分は長さ300mmで内側に折り曲げています。
コットを中に入れると、こんな感じです。
出入口にファスナーがあると出入りが楽です。 ただ、このままだと雨の日は、この部分から水が浸水すると思うので、後ほど雨対策は考えます。
外観も見栄えが良いです。白色なので以前に作ったブルーシート製モノポールテントより大きく見えます。
ベンチレーションもイイ感じに開いています。ブルーシートよりは生地が柔らかいので折り目がつきにくいようです。
実際にキャンプ場のフィールドで自作テントを使用してみました。
テントの五角形の角のガイラインループにはペグを直接打ち込みます。
そして、テントの五角形の辺の中央に取り付けたガイラインループにはロープを付けて、余裕を持たせてテンションをかけています。
あと、面の中央に取り付けた5か所のガイラインループからも張り綱で固定しています。
色が白いのでテント内が非常に明るいです。
夜間もテント内で白色のLEDランタンを灯すと、とても明るい。
テント自体も白色に発光するのでキャンプ場ではとても目立ちます。
自作テントの中に3人用のインナーテントを持ち込んでも余裕で収まりました。
そして反対側にはリビングスペースも確保できます。
最後にテントとポールを収納すると、こんな感じになります。
総評として、防炎シートは塩化ビニールなのでブルーシートと比べると使い勝手が良いのですが少々強度が弱いような印象。
安物の防炎シートの為か、ボンドは使えるが生地の繊維が剥離する。などなど難点もありますが、メインテナンスはしやすいでしょう。
テントの作り方と設営風景を撮影した動画です。
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